1996年8月12日〜21日
モンゴル恐竜発掘調査サポートツアー
たった3日間ではあるが、草原でのキャンプ生活は素敵なものだった。
(写真:ゲルの中。中央にテーブル。まわりにベッドが5つ)
今回の楽しみの一つは満天の☆である。ちょうど、私たちの行っている時期は月のない夜だった。天の川もばっちり、地平近くまで星があり、さそり座だってくっきり見えるのである。ペルセウス流星群の時期はちょっとはずしたが、それでも結構流れ星ってあるものだ。ゆっくり移動する人工衛星もたびたび目にした。一番星が木星だというので双眼鏡で覗いたらちょっとした縞が見えた。
最後の晩にはツアーメンバーあべさんの星座教室があった。中学以来、まともに星座の勉強をしたことの無い私にはありがたい存在だった。おかげで双眼鏡を使ってアンドロメダ星雲なども見ることができた。天の川の南側の太いほうが銀河の中心だとか、いろいろな話を聞いて眠っていたSF魂が蘇る。
帰国してから知った話だが、来年3月にはモンゴル、シベリアあたりで日食があり、けっこう大きな彗星も見れるとのことだ。3月といえばまだまだ極寒といえる時期ではあるが、モンゴルのあの空なら彗星を見に行く価値はあると思う。あなたが天文ファンならここは一発いかがです?
秘境(というほどの場所でもなかったが)と聞けば気になるのがトイレ。このキャンプ地では決められた場所にすることになっていた。その決められた場所とは…。
穴を掘って板を渡し、コの字型に囲う。キャンプ地の端にそれらが間隔を置いて4つ並ぶ。囲いは立つと男性なら胸から上が出るくらいの高さ。当然、使用中はコの開いた側を人が通ってはまずい。ゆえに、使用中は旗を立てる。囲いの外にはシャベルが置いてあり、必要に応じて上から土をかける。これは蝿防止に有効なようだ。
(写真:これがトイレだ!)
最初は「をを」と思ったが不思議と匂わない。その昔の日本のほりほり便所よりよっぽど快適だ。ただ、日中だと蝿が寄ってきていまいちくつろげない。気温が下がる朝夕だとなかなかのものである。ちなみに、私は北京・ウランバートルと滞っていたが、草原では極めて快調だった。
フルンドッホに到着した最初の晩は日蒙交歓バーベキューパーティー&キャンプファイヤーだった。バーベキューパーティーのほうはお互い簡単な自己紹介をし、歌を2曲づつくらい歌って終わったが、キャンプファイヤーは妙な盛り上がりを見せ、11時過ぎまで続いた(おかげで消灯時刻が少しずれこんだ)。
第3班の添乗員さんはなんとキャンプフリークだった。チョエルに向かう列車の中で彼女の指導のもと、一部の人達はひそかにその夜のイベント向け歌の練習をした。『きゃんぷだほい』という遊戯(?)も覚えた。
さて本番、キャンプファイヤーの最初は日本人だけの輪だった。その間に『きゃんぷだほい』の特訓をする。モンゴル側スタッフも加わってからはまた歌の交歓会。スタッフにギターの弾けるおねーさんがおり、モンゴル語のポピュラーソングをみんなで歌ってくれる。日本人側にもギター弾きがいたのだが、全員がちゃんと最後まで歌詞を覚えているレパートリーが少なくいつも尻すぼみになってしまう。そこは例の『きゃんぷだほい』で挽回、このあと、数種類のゲームをやって盛り上がり、夜は更けていった。
私は中学時代の野外活動やキャンプなど大嫌いなくちだった。馬鹿馬鹿しいと思っていた。しかし、大人になった(?)今は楽しめる。最後の日などはお別れのフォークダンスまでやってしまった。メンバーに小学校の先生がいて彼が指導してくれたのだが、さすがにこの練習の時はさぼってた。フォークダンスはキャンプより嫌いだった。その余波だろう、まだ大人になりきっていないのかもしれない。