1996年8月12日〜21日
モンゴル恐竜発掘調査サポートツアー
もちろん目玉は恐竜化石である。その他の展示もあるのだが、私は恐竜のところしか見なかった。展示スペースは広いとはいえない。タルボサウルスのいるホールの他に細長く広い部屋が1つ。ホールを除くと上野の科学博物館の1階入り口の両翼ぐらいの面積である。
北京からウランバートルに着いた次の日の午前中がこの博物館のガイドツアーだった。博物館の古生物部長(?)にあたる人が展示物の説明をモンゴル語でしてくれて、通訳がつく。説明内容は恐竜フリークにとって既知の事柄がほとんどだった。この日、バルスボルド博士も来ており、最初は遠慮していた我々もやがて質問攻めに。途中から説明員の人の出る幕がなくなってしまった。
主な展示物は次の通り。
総じて、展示物は古めで、最新の発見物は置いてなかった。ハルピミムスやモノニクスは中里村に来てるし、巣と一緒のオビラプトルも見あたらなかった。
ガイドツアーのあと、博物館の裏手にあるクリーニングをしているラボの中を見せてもらった。(前の二班はここを見ていないらしいが)。ラボといっても長屋の一室のようなところで、中にはクリーニング中の化石がごろごろ。腱が残っている珍しい鎧竜の化石もあった。私にとってはガイドツアーよりこっちのがおもしろかった。機会があればクリーニングのアルバイト(ボランティアでもよい)をしてみたい。
ガイドツアーではゆっくり展示物が見れなかったので、フルンドッホから帰った後、ウランバートルでの自由時間に再度博物館に足を運んだ。その日は何故か電力供給状態が悪く1時間ごとに停電しており、博物館もチケット売りを休止していた。ちょっと近くの本屋を探して時間をつぶしをした。
恐竜展示の部屋は窓があるので、実の所、電気がつかなくても見学に支障はなかった。でもとにかく電気がついてからチケット代350トゥグルグを払って中に入った。モンゴルの博物館では写真撮影に別途お金がかかる。タルボサウルスのホールで5ドル払い、写真を撮りまくって帰ったのであった。
民主化以来、モンゴルはインフレ、モノがない状態なのだそうだ。買い物するといってもそんなに選択肢があるわけではない。みやげものはとにかく外貨ショップ、モンゴル特産カシミアは日本で買うより安いといっても、気安く買えるほどには安くはない。地元のスーパー(?)にいっても加工食品は輸入品が多い。
地元の人々の御用達といえば、道に並んだキオスクのような屋台であろう。菓子や煙草が並んでいるのだが、よくみると米や野菜も売っている。さらによく見ると歯磨きなども売っている。こんなところで個人商店が活躍しているというわけだ。
(写真:キオスクのような屋台。朝なのでまだ閉まっている。ごめん)
ウランバートルは首都なのだが、立派な公共の建物があるわりにどこか寂しいと思っていた。まあ、ここは日比谷か丸の内か、と思えばそんなものなのだろうが、大きな原因は普通の店構えの店をあまり見ないかららしいと思い至った。もちろん、デーパトとかスーパーとかいわれるところはあるし、一歩踏み入れば本屋も床屋もある。が、デパートは別にしても、他の店は踏み入らないと何の店かわからないのだ。(実は、私は本屋に入るつもりが床屋に入ってしまってあせったことがある)問題は看板とディスプレーにある。それでも外国資本(特に韓国)と思われる店は横断幕がかかっていたりして華々しい。モンゴルはこれからますます自由経済化に拍車がかかるだろう。今後1〜2年で街の趣も大幅に変わるかもしれない。
(写真:ザイサン・トルゴイから見たウランバートル市街)
一応、これで話はおしまいである。最後の北京の夕食会で誰かが「こういうツアーこそグループでいく価値がある」といっていた。我々第3班は親子1組を除いて他はみな単独参加だった。添乗員さん曰く「ふつうは個人行動だが、何かやるよというと羊のように集まってくる」。こんな仲間だったから楽しさ20倍だったのかもしれない。改めてメンバーにありがとうといいたい。
それから、ここまで読んでくれたあなた、ありがとう。
私は一介の恐竜ファンで研究者ではない。なにか記述に間違いがあったらご指導願います。それから、この旅行に参加した他のメンバーもホームページを開く予定があるらしい。出来次第リンクしたいと思うので、その節はよろしく。
では、では。
***おしまい***