ちょっと対話型の生成AIを試してみようと思って、アキロベータについてgoogleのBardに聞いてみた。
最初にヒットしたと思われる論文だけをみて断言してくるので、こちらに知識がないと鵜呑みにしてしまって危険!
しょせん、言語の前後関係確率モデルなので、情報が潤沢でない分野だと仕方ないかもしれないけど、こちらにある程度知識がないとすげぇ危ないと思った。以下その顛末。
最初に聞いたことはこれ。
アキロベータ(アキロバトール)という 獣脚類について、研究論文を教えてください
最初の答えはこちら。
アキロベータ(Achillobator)は、白亜紀後期のモンゴルから発見された獣脚類の恐竜です。オヴィラプトル科に属し、体長は約2メートルと小型です。
アキロベータに関する研究論文は、以下のとおりです。
- 論文名:A new oviraptorid (Dinosauria: Theropoda) from the Upper Cretaceous of Mongolia
- 著者:Norell, M.A., Clark, J.M., Chiappe, L.M., Barsbold, R., and Perle, A.
- 掲載誌:American Museum Novitates
- 巻:3327
- ページ:1-40
この論文では、アキロベータの化石の記載と、その分類学的位置づけが発表されました。アキロベータは、オヴィラプトル科の属として新種として記載されました。
(以下略)
Bardの回答
2001年の論文を引いてきて「オヴィラプトルの仲間」で、ウムヌゴビ層(Ukhaa Tolgod Formation)だと言ってきた。
ちょっと待て、なぜ オヴィラプトル?
「アキロベータ」って書いたのに正しく”Achillobator”を出してきたのはよかった。
が、他がちょっと私の認識と違う。そこで、いろいろ突っ込んでみた。
発掘した地層はウムヌゴビ層(Ukhaa Tolgod Formation)だと言ってきた。発掘された ブルハントは バインシレ層だよね? しかも”Ukhaa Tolgod”は発掘地として出てくる名前だけど、普通「ジャドフタ層」というはずだ。重ねて尋ねたが、ブルハントは「ウムヌゴビ層とバクトリア層」だと言い張る。バクトリア層 (Bactria Formation)ってなによ?
ホロタイプが記載されている論文を示したら、そちらは1999年なので2001年の論文の発掘地が正しいとか言ってきた。ちょ! そういうことじゃないだろー。別の発掘地からでた標本ってことだろーが。あぶないあぶない。
ちなみに、Achillobatorの説明としては、いまのところWikipediaが妥当だと思われる。英語版でも日本語版でもドロマエオサウルス科って書いてある。日本語版では「アキロバトル」ってなってるけどね。
マイナーなネタはAIに聞くより検索したほうが吉と思った一件だった(2023年9月時点)。