2023年11月、今年リニューアルした福井県立恐竜博物館に行ってきた。
以前行ったのは、2000年のオープン時、恐竜EXPOのとき。交通の便がよろしくないので、なかなか行きづらく、ご無沙汰していた。今回は、普通の観光ツアーで「福井恐竜博物館3時間(自由昼食含む)」というのがあったので参加してみた。
博物館へ
恐竜博物館に近づくと、畑の中やら公園やらに、やたらと恐竜が現れ、雰囲気を盛り上げる。
博物館はリニューアルで、もともとの大きい銀色ドームに加え、小さい銀色ドームが増築された。
入り口に、空港などあちこちで見かける白衣を着た恐竜博士がいる。怖いよ、白衣の 獣脚類。
竜脚類のモニュメントはなにげにかっこいい。
チケットは入場時間指定制だった。予めチケットを予約しておく必要がある。入場規制だけで、見学時間は規制されないので、好きなだけ居ればいい。
最初に入ったところは3階で、レストランやミュージアムショップがある。本館部分は吹き抜けになっていて、エスカレーターを囲む回廊にフィギャーやらポスターやらが展示されていた。ジュラシック・パークのモササウルスのフィギャーが秀逸。
ティラノミムス
ちょうど、ティラノミムス・フクイエンシスの記載論文が公表された直後だったので、新館の3階に臨時展示コーナーができていた。
腸骨の微細な特徴(垂直稜がある)がティラノサウルスに似てるからって、名前をもらってくるなんて、ちょっとずるい気もする…。見た目はちっこい オルニトミモサウルス。
新館:収蔵庫・モニュメント・ダイノシアター
新館には福井産恐竜のモニュメント「恐竜の塔」がある。これ、映えるね。
収蔵庫のほうは、キャプションがあったりなかったりする。映画のセットみたいなラプトルたちとか、抱卵姿勢のオビラプトル類とか、ディロサウルスという新生代のワニの産状化石とか、出番待ちなのか、出番を終えて休憩中なのか。
新館の目玉の一つは、3面のダイノシアター。動画のプロジェクションである。現代の福井駅前から恐竜時代にタイムスリップという構成になっている。臨場感あってなかなかよいのだが、願わくば、恐竜を実物大で投射してほしかったなぁ、ちょっと小さいなぁ。
本館:メインホール
本館は、3階からエスカレーターでぐーんと地下1階まで降りていくようになっている。
地下1階に着くと、化石の壁を抜けて、カマラサウルスの産状化石の脇をあがっていくと、でーんと動くティラノサウルスが吠えている。ドラマチックなしかけ。
獣脚類
恐竜ロボットに向かって左手は獣脚類のコーナー
この博物館のすごいところは、似た分類の恐竜が3種類ずつ並んでおいてあるところ。別々に見ると同じような恐竜でも、並べてみると形状とか大きさとかいろいろな違いが見えておもしろい。
…赤い復元模型と一緒に展示されている骨格、アロサウルスだったかなと思ったのだが、それにしては小さい。何だったのか(^^;
かつてインゲニア・ヤンシニと言われていた化石は、「インゲニア」が他の生き物の学名に使われていたのでアジャンキゲニア・ヤンシニとなり、その後、ヘユアンニアと同じ属だーということが判明して、ヘユアンニア・ヤンシニになったそうだ。…旧インゲニア・ヤンシニの記載が1981年、ヘユアンニア・ファンギの記載が2002年なのにそうなるのがいまいちよくわからない。普通は先に見つかった方の名前が有効になるはず。2013年に改名した「アジャンキゲニア」という名前になにか問題があったらしいのだが…。
スコミムスの下に頭骨だけあるのはスピノサウルス。どっちも背中に帆があり魚食といわれているが微妙に頭の形が違う。
ファルカリウスはテリジノサウルス類なので、手に注目。テリジノって結構小さいのもいるんだ。顔は植物食っぽいよね。
竜脚類
それにしても、ブラキオサウルス、でかい。このデカさはリアルで体験してほしい。
そして、ニジェールサウルスの頭骨は何度見ても奇妙。本当にこういう口で暮らしていたのか、作りもじゃないのかって思いながら化石をしげしげと見つめる…。
鳥脚類
植物食のやつら
皮膚の跡とか見えて「ミイラ化石」といわれているブラキロフォサウルス。反射しにくいアクリル板(?)で囲われていた。
ハドロサウルス類、とさかがあったりなかったり。
ニッポノサウルス(サハリンでみつかったやつ)は、思ったより小さかった。
身の守り方に特徴のあるやつら。
角竜は大きい順にトリケラトプス、メデューサケラトプス、プロトケラトプス、アーケオケラトプス。
以前いろいろな名前で呼ばれていた堅頭竜は、全部パキケファロサウルスってことになっていた。小さいときのトゲトゲがなくなってつんつる頭になるらしい。
上から見た鎧竜はかなりの見ものだった。
福井の恐竜
1階の一角が福井の恐竜コーナーである。フクイサウルスはイグアノドンの仲間、フクイラプトルは”ラプトル”とついているがアロサウルスの仲間、フクイベナートルはテリジノサウルスの仲間、フクイプテリクスは鳥に分類されていた。
なんと、タイの恐竜も展示されていた。シリントーナというイグアノドンの仲間だ。親指がそれっぽい。福井と共同調査をしていたらしい。
鳥へ、哺乳類へ
哺乳類の祖先やその進化や、鳥への進化の展示も充実していたのだが、このあたりで疲れてきてあまり記憶が(^^;
ディメトロドンがペルム紀、リストロサウルス、シノカンネメイエリアが三畳紀、ゴビコノドンが白亜紀だ。
マラスクスは恐竜のご先祖さんに近いといわれているラゴスクスの仲間。ちょっと前までラゴスクス属とされていたらしい。
お食事・おみやげ
平日だったのだが、食堂は20分待ちとかだった。予約券が出て、スマホに「空きました」お知らせがくるので、その間、土産物屋を物色する。
20年前に買って愛用しているマグカップのスペアが欲しかったのだが、もう売ってなかった。あのデザインが好きだったのになー。
通路に詰んであった箱をみたら、巨大なテリジノサウルスの爪が! そう、テリジノってこのイメージだったんだよね、フクイベナートルもファルカリウスも小さかったけど。
お土産と食事入れて3時間で、それでも回りきれなかったところがある。密度が濃くて集中力も続かないので、途中でお茶して見るくらいのペースがいいかも。食堂は混んでいて休憩に向かないので、なにかおやつを買っておいて外で食べるとかいたほうがいいかも。
今回はツアーだったので体験プログラムには参加できなかったが、体験も含めて丸一日か2日で行ってみたいものだ。