モンゴルで恐竜化石を発掘するときの道具を紹介する。
日本の地層は褶曲したり圧縮されたりで、岩の中に化石が入っていることが多く、「石を割る」が中心の発掘作業になる。一方、モンゴルのゴビあたりの白亜紀の地層は、日本のように褶曲しておらず、平らなまま埋まっていて、土を掘る感じで掘れる。ただし、地面の中なので土が固くなっていることもありタガネを使う場合もあるし、化石の近くはスコップでがんがん掘るわけにはいかないので、アイスピックのような先が尖ったもので少しずつ土を崩していくこともある。
シャベル(園芸用の移植ゴテ)と、ちりとりとブラシのセット。いずれも100円ショップで買ったやつ。
土をガリガリ削り取ったりすることもあるので、シャベルはプラスチックではなく金属製のものがおすすめ。
ちりとりとブラシは、崩した土をすくい取るのに便利。
刷毛とデンタルピックとたこ焼きのピック。
化石の近くでは、先の尖ったもので土を少しずつ切り崩し、刷毛で土を払う。
土が硬い場合は先が鋭利なデンタルピックが活躍する。
繊細な化石のまわりを履く場合は、化粧ブラシのようなやわらかい刷毛を使うこともある。
土が硬い場合は左の図のようにハンマーとタガネで土を崩していく。写真ではカメラを操作するため手を放しているが、実際はタガネに手を添えて使う。
私が使っているのはチゼルハンマーというやつだ。だがしかし、このハンマー、重くて使いづらい。非力だとうまくハンマーを振るえないのだ。タガネを持っている方の手にぶつけてしまうこともしばしば。
タガネの代わりに貫通ピック(または貫通ドライバー)という叩いても大丈夫な芯の入っているものを使うこともある。
他の人が使っていた100円ショップで売っている300円のハンマーが手頃で使いやすそうだった。これだと非力でもリズムよくタガネを打つことができる。石ではなく土を掘っているので、力より振動のほうが効果り、継続的にカンカンできることは大事。
帰国してから、速攻買いに行った。右は大きさ比べのためのボールペン
実は、モンゴルで恐竜化石発掘をしている人たちが持っているのはチゼルハンマーではなく、このようなロックピックハンマーだ。私は買う時に間違えて「チゼル」の方を買ってしまった。…チゼルハンマーの説明に、堆積岩の化石採集に使うって書いてあったからてっきり…。
他の人の用具の例。
右側のノミみたいなのはチゼルというらしい。ジャケットするために化石のまわりをパンケーキ状に整えていくときに有効。
あと、必要なのはサングラスか保護メガネ。削った砂や土が飛んでくることがあるので裸眼は危険である。土埃がすごいのでマスクもあったほうがいい。そして忘れてはいけないのが軍手。尖ったものやハンマーを使うので、手を保護するために必須である。
ちなみに、日本の化石発掘体験では大体のところではハンマー、タガネ、保護メガネ、軍手を貸してくれる。体験会によって違うこともあるので、主催者からの案内を確認しておこう。