掘って掘ってまた掘って

ゴビ恐竜発掘ツアー2006

竜脚
2006年8月12日〜19日

ツアー概要
2006年8月12日〜19日、モンゴル国のゴビの南東に恐竜化石発掘にいってきた。
1996年からモンゴル古生物学センターのバルスボルド博士にお世話になっている日本人だけの恐竜化石発掘サポートツアーだ。
毎年のことなので軽い気持ちで参加したら、直前に送られてきたパンフレットに次のような記述が…。
今年の発掘サポートはバルスボルド博士に特別な許可をいただいてモンゴル・韓国共同調査(5カ年計画の初年度)をサポートすることになりました。(中略)
私たちはその予備調査として、バルスボルド博士、小林快次博士と未開の地に行き、主な化石のデータをGPSで記録し、今後の発掘調査資料として提供しましょう。
わぉ、予備調査だと!? 使命重大じゃないか。
いままではいい化石がみつかったらラッキー、モンゴルの古生物学センターに送って研究に役立ててもらう、くらいだったのに…。

一般募集は8月12日発と19日発だったが、それに先立って8月5日から小林先生とその弟子と、前々からサポートツアーをサポートしてくれているNPOモンゴル恐竜基金の高橋氏が現地入りしているという。
出発前に旅行会社経由で情報が入った。でかい化石をみつけたらしい。先のとがったハンマーなどを持ってくるようにと。ひー! 日本で発掘しないねこまたぎはハンマーは持ってないのだった…。


竜脚類現場・北面の最初
現場 さっそく現場へ向かう。今年は例年のフルンドッホより沙漠っぽいところだと聞いていたがそうでもなかった。相変わらず木はないけど、潅木や草はちょろちょろ生えている。この日は曇っていて陽射しも乾燥もきつくはなかった。
先発組のうち2名は先に帰国したので、10名で発掘だ。
竜脚類 出た〜、竜脚類! 小林先生が指さしているところに肋骨や椎骨(背骨の骨)とおぼしきものが出ている。
モンゴルでは竜脚類はあまり出ておらず、特にゴビ東側ではとーっても珍しいのだ。どんな種類かまだわからないけど、椎骨の特徴から竜脚類で間違いないらしい。
竜脚類 椎骨が見えている。
竜脚類 斜面下側から見たところ。結構でかい骨が見えている。
竜脚類 こちらは土壌がとても固い。つるはしなどを使っての土木作業になった。
竜脚類 見事な肋骨が見えている。すげぇ。

竜脚類現場・南面の最初
南面 肋骨と椎骨の出ている斜面は小山になっていて、その南側にも椎骨らしきものが出ている。北面組と南面組に発掘は分かれて開始。
南面南面
南面 骨のまわりにかたーい粒々がついている。ピックで取り払い、化石がどのように続いているのか確かめる。
南面 ぽろっと掘り出せた椎骨。神経棘突起(角みたいな部分)までしっかり残っている。

カメ現場
亀 亀 先行チームが見つけたカメの甲羅。両方とも腹側だ。カメさんはひっくり返って埋まったらしい。
フィールド 花 第2カメ現場は平らなところ。他では見たことない花が咲いていた。
このあたりは白亜紀後期の始め頃の地層、という話だったが、場所によって微妙に層準が違うそうで、よーく調べてみないと確かなことはいえないらしい。
あとでモンゴル側スタッフに確認したところ、この場所の名称はシン・ホダグ・オス(Шинэ Худаг Ус:新しい井戸水)というそうだ。キャンプ地からだいぶ離れたところから入手してくるらしい水、ちょっとしょっぱかった…。

発掘1日目、午後の作業
フィールド 竜脚類を発掘している小山はこんな感じ。向かって右が北面、左が南面である。
北面からは胴体が、南面からはしっぽあたりが出ているので、もしかするとこの丘に水平に横たわっているのかもしれない。
竜脚類 北面組はでかい椎骨を含むブロックのジャケット作業に入った。
竜脚類 ジャケットが乾くまで次の作業、肋骨を掘り出す。
かなり堅いので、ピックをたがねのように使ってこつこつと…。
竜脚類 午後の作業も終了頃、ジャケットが乾いたところで塊をひっくり返す。今度はこの露出した面にも石膏をくっつけるのだ。
南面 南面もだいぶ掘り進んだ。椎骨を含む塊をジャケットするため、ケーキのように切り出したところ。
南面南面
雨がパラパラ降ってきた。ここは数年に一度しか降らない乾燥地帯と聞いていたのだが、そうでもなかったようだ。
掘りかけの化石を保護するために、レジャーシートをかけたり、ビニル袋をかけたりした。
この夜は結構ぱらぱら雨が降った。

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Aug. 27, 2006
Last Modified: Aug. 27, 2006

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