小骨の源を探せ

ゴビ恐竜発掘ツアー2007

小さい恐竜の絵
2007年8月4日〜18日

概要出発流浪発掘

ツアー概要

2007年8月4日〜18日、モンゴル国のゴビの南東に恐竜化石発掘に行ってきた。
1996年からモンゴル古生物学センターのバルスボルド博士にお世話になっている日本人だけの恐竜化石発掘サポートツアーだ。

今年は2006年と同じ発掘地に行って続きを掘るという話だったのだが、他の発掘隊との兼ね合いがあって現地側の手配が混迷して、直前にツアーオペレーターがかわり、モンゴル側の研究者もつかず、続きを掘るのではなく別の化石を探して良いものがあったら報告するということになった。
とりあえず、前半には毎年サポートツアーをサポートしてくれているNPOモンゴル恐竜基金の高橋氏が、後半には2年前からこのツアーにも参加している小林快次先生がいらっしゃるとのこと。
ねこまたぎは今年はばばーんと休暇をとって前半・後半ぶっつづけ2週間コースだ。

で、いろいろあって、昨年と同じシン・ホダク・オスではなく、フルンドッホに行って発掘してきた。結果的には3年ぶりのフルンドッホでいろいろ良いものが出た。今回はジャケットに必要な資材を持っていかなかったので、見つけた化石は記録して埋め戻してきた。一時はどうなるかと思ったが、終わり良ければすべて良し!


ハルピミムスかも
ハルピミムスの肩甲骨? フルンドッホについた初日に高橋氏が見つけたダチョウ恐竜の肩甲骨。キャンプ地前の谷間に出ていた。
ハルピミムス? 後発組が到着してから掘ってみたら…、
腕の骨を中心に続々でるわでるわ! 肩甲骨、烏口骨、上腕骨、尺骨、中手骨、肋骨、椎体、腸骨(?)…。
まだ断定はできないが、以前ここで出ているハルピミムスと思われる。全身骨格はそんなに出てないはずなので、貴重な化石ということになる。
ここ地層は白亜紀前期。ハルピミムスはダチョウ恐竜の中でも古いタイプで、歯の痕跡があったりするのだ。
ハルピミムス 参考:神流町(旧・中里村)恐竜センターで展示しているハルピミムスのレプリカ。

イグアノドン類の顔の骨
頬骨 イグアノドン類の頬骨(きょうこつ)だそうだ。
2001〜2002年に掘っていたアルティリヌス(まだ決定じゃない。論文作成中だそうだ)より大きい成体のものと思われる。
後発組が来る直前にねこまたぎが見つけたのだが、カーブしているのでカンプソサウルスの骨盤あたりかと思っていた。大間違い。
南面 イグアノドン類の方形骨(ほうけいこつ)だった。
これもねこまたぎが見つけたのだが、変な穴のある妙な骨、と思っていたら、大事な頭部の骨だった。見る目ないじゃん!
南面 参考:イグアノドン類の頭の骨。(『モンゴル大恐竜』小林、久保田:北海道大学出版会, 2006より)

竜脚類の歯
竜脚類の歯 竜脚類の歯。フルンドッホには何回も発掘隊が入っているが、竜脚類の化石は見つかったことがないのだ。大発見といえるかも。スプーン型をしているので、カマラサウルスの仲間かもしれない。
見つけたのは発掘サポートツアー常連の通称ゴッドハンドK氏。国内でも掘りまくっているマニア中のマニアだ。さすがである。

移動経路
フィールド 今回の発掘ツアーの位置関係は左の図のとおり。移動経路は
ウランバートルサインシャンド→シン・ホダク・オス未到達、
サインシャンド→チョエル→フルンドッホ、である。
迷走の顛末は次ページに続く。

続く→


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Aug. 22, 2007
Last Modified: Aug. 07, 2008

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