今年のキャンプ地はグレードアップしていた。客室ゲルが5つ、大きな食堂ゲルが1つ、スタッフ用ゲルが1つ、おまけにシャワー室ゲルが1つあった。
一つだけとびだしているのが食堂ゲルである。 |
こんなのははじめてみるのだが、ゲルに怪しい扉絵が…。 |
ゲルのなかには寝台、机とスツール、洗面台がある。私は3人用のゲルをひとりで使っていたので、かなり豪華な感じ。 |
毎日、キャンプスタッフが洗面台の背面に水を入れてくれる。バケツ1杯くらいはいる。 |
ここがキャンプの台所。キャンピングカーみたいなものの中にコンロや冷蔵庫が設置されている。 電力は自家発電。食事時と夜だけ屋外に設置した発電機の音がバババババと聞こえてくる。 |
食堂内部。いままでと違ってちゃんとした高さの椅子とテーブルが用意されている。 何故かオオカミやキツネの毛皮が飾られている。 |
食堂にでーんといるのがこの剥製。Lammergeyerと書いてあった。ヒゲハゲワシらしい。 |
さて、キャンプ生活となると気になるのがトイレ。今年はトイレもグレードアップしており、なんと扉がついていた!(従来はコの字型)しかも、立っても見えない!!(従来は立つと胸から上が見える高さ)
通常、トイレはキャンプ地のはずれに設置するものである。しかし、今回はわりとそば、しかも目の前(南側)に建っていた。
キャンプ地からトイレを臨む。 |
この扉、最初はたてつけが悪くて閉まらなかった。 |
今年は比較的乾燥した夏なので、去年悩まされた蚊は全くいなかった。そのかわり、南ゴビ名物の強風が吹いた。キャンプ1日目〜2日目にかけて吹いた風でトイレが壊れてしまった。宿泊用ゲルは重石を強化して難を逃れたが、シャワー用ゲルは守りきれずに解体された。
トイレが壊れたらどうするか?
人の出ていない時を見計らって、ゲルから離れたところで用を足すのだ。姿を隠すためにはかなり歩かねばならない。ゲルから見えなくなっても反対方向から通行人が現れないとも限らないのだ。スリルにみちあふれた賭けなのであった。
キャンプスタッフは去年と同じおかあさんとその子供達であった(コック1名は違うようだったが)。お初お目見えの長女の夫はきれいな英語を喋る青年だった。去年もいた次女の夫は具合の悪くなったメンバーの面倒をかいがいしくみてくれた。
博士と入れ違いにジュルチン・ゴビの社長やってきて、また今年も握手した…。
モンゴルは今年から夏時間をやめていた。ので、日の出は6時頃。日没は9時頃である。
発掘場所が近かったこともあり、さがす場所もばらばら、帰ってくるのもばらばら、昼食後もすぐ出かける人あり、ゆっくり休む人ありとばらばら、ということが多かった。
疲労度や体力が人によって違うので、これは結構ありがたかった。
去年より星空はきれいだった。ちょうど月のない時期だったこともある。蠍座はしっぽまでちゃんと見えるし、天の川も地平線まで届く。星座早見盤とにらめっこしながら、射手座、イルカ座、ケフェウスなど、今まで認識できなかた星座を確認したりした。
ペルセウス流星群の時期でもあったのだが、ペルセウス座はかなり遅い時間にならないと上がってこないということもあり、流れ星はいまいち堪能できなかった。そのかわり、人工衛星は今年もいっぱい見たぞ。
出勤前のヤギさんたち
今年はなぜかキャンプ地の隣に遊牧民がゲルを張っていた。そのため、日が暮れるとラクダの鳴き声が賑やかになり、わらわらとヤギやヒツジが帰ってくるのである。
さらにヤギたちは暗くなるといつのまにか我々のゲル近くに移動して、一晩中ごそごそぐしゅぐしゅしているのであった。
遊牧民は駐車ならぬ駐馬するときは、馬が遠くにいかないように前足を縛っておく。 繋ぐ杭がある場所でもそうする習慣が…。 |
ぶちの馬。珍しかったので撮ってみた。 |