1997年8月7日〜20日
昨年、私はモンゴルは東ゴビのフルンドッホというところで恐竜発掘をした。その縁で、今年は南ゴビのツグリギン・シレで恐竜発掘ができることになった。もちろん、モンゴル古生物学研究所のバルスボルド博士のお手伝いである。但し、今回はウランバートル発の現地ツアー、メンバー集め、航空券手配など結構面倒だった。
なんだかんだで7人集まり、ツアー決行。出発前の予定と実際の行程は若干違っていたもの、細かいことは気にしない。なんといっても、発見・発掘・ジャケット作りの全工程を体験できたのだから。
我々の役目は「化石を探すこと」だった。掘り出して研究する価値のある化石を見つける。少ない日程、少ない人数で目的が達成できるかどうか、私は正直行って危ぶんでいた。しかしだ。発掘3日目の午前中に、S氏がプロトケラトプスの保存状態のよいものを見つけた。バルスボルド博士の検分の結果、「掘り出せ」という司令が!
掘り出す前のプロトケラトプスの頭骨
3日目の午後から5日目の午前中までは掘り出してジャケット作りをするのに費やされた。頭・胴体・尻尾と3つに分割して掘り出されたプロトケラトプスはウランバートルのラボに運ばれていった。
探すだけで終わりだと思っていた私は万々歳。特に、見つかった化石の状態から次に掘っていく場所を特定していくところなど、わくわくものだった。ジャケット作りでは布が足りなくなるという事態も。どうやら、博士のほうも望外の収穫だったらしい。
今回の参加者は昨年のツアー仲間5名+2名。ツアー仲間といっても、私と同じ班だった人は1人で、他は別々の時期にツアーに参加していた人だったりする。出発直前には期せずして全員e-mailアドレスを持っていたという恐ろしい面子だった。その中でも個人のウェブページを公開しているのが私を含めて4人。それぞれの視点で描いたそれぞれの旅行記を楽しんでいただければと思う。