再び、南ゴビで恐竜発掘

ピナコサウルスの絵
1998年8月10日〜21日


手配道中発掘前半発掘後半終幕


町へ

[運んだ化石] 我々はジャケッティングした化石と一緒に飛行機に乗った。こいつらはみんなウランバートルの自然史博物館へ行くことになっている。ダランザドガドの空港はびしょびしょだった。空から見たゴビもびしょびしょだった。数年分の雨が一気に降ってしまった感じだ。羊の病気とか、増えないといいのだが。
 フラワーホテルは、朝・昼・夕にお風呂に入れるはずだった。しかし、到着して聞いてみると準備ができていないらしい。公称12時開始のところ、30分遅れの12時半からといわれた。12時半に風呂場にいってみると、まだだめで1時といわれた。1時半には昼食外出することになっている。私は風呂を諦めたが、昨夜シャワーを浴びなかった人たちは速効で入りに行った。
 昼食は由緒正しいウランバートルホテル内のレストランだった。そして、メインディッシュはお魚だった。みんな大喜びだった…。キャンプ中、魚を却下した私はちょっと後ろめたい気分。おまけに高級料理だったので食べられないものが多い。やはり、私には沙漠が合っているのかも。

ラボ

 自然史博物館ではバトさんが説明してくれた(多分、館長さんだったと思う)。一昨年もバトさんに説明してもらったが、彼の説明は素人向けなので、ちょっと、いや、かなり物足りない。でも一応、質問している自分が…。
 昨年までは気付かなかったアラグ・テグ産のピナコサウルスの頭骨があったので、まじまじと見た。昨年、壁からはずされていたデイノケイルスは壁に戻っていた。ここにあるはずのプシッタコサウルスは今年も見当たらない。

[クリーニング済み化石] 博物館の隣のラボも案内してもらった。ラボは今、建替え中、新館ができるらしい。我々がよく見せてもらうところはまだそのままだったが、敷地の半分は更地になっていた。
 今回見せてもらった目玉は、きれいにクリーニングされた化石たち。昨年さなえさんがみつけたカンプソサウルスや、一昨年見つかった謎のダチョウ恐竜武井さんのページ参照)などが、給食のコンテナみたいなものに入っていた。そして、去年我々が掘り出したプロトケラトプスは、そのままの状態で積み上げられていた…。中里村にクリーニング体験用に貸し出すという話はどうなっているのだろう?

大円団

 最後の夜は、民族歌舞のショウを見て、韓国料理のバイキング形式レストラン(一昨年も来た)で博士やバタムさんと一緒に夕食を食べた。バタムさんはそれはそれは楽しそうに博士にキャンプ地の様子を語って聞かせていた。博士の表情がいまいち冴えなかったのは「こいつら、横道それてばかりで、いい仕事をしてくれなかったな」と思っていたのか「マダム・バタムにばかりなついて悔しい」と思っていたのか…。

 今年のキャンプはなんといっても笑い声が絶えなかった。特にこちらのゲルは朝っぱらから笑い声が聞こえる「うるさいゲル」といわれていたとか。箸が転がってもおかしい、っていう年頃はみんな過ぎているはずなのに…。
 私は、外からは「うるさいゲル」の中にいるかわいそうなおとなしい人、と見られていたきらいがある。ち、違うのだ。心ならずも緊張ぎみだったので、いつもの恐ろしい笑い声がでなかっただけなのだ。実は、私は久しく女性が少ない環境にいるので、“女性がいっぱいいる”っていうのは緊張してしまうのだ。だから、多分、添乗員もどきっていう役割を差し引いても、去年よりずっと緊張していたと思う。それに、あまりにも突っ込みのテンポが速くて突っ込む隙がなかったのだ…。
 まあ、とにかく、楽しかった。獣脚類がでなくても、自分で化石をみつけられなくても有意義な休暇だったと思う。

 博士には「来年もよろしく」みたいなことをいわれてしまったが、ど、どうしよう。ネメグトでキャンプ張るのはすごく大変だっていうし、そろそろ違う国にもいきたいし…。楽できて安ければ行こうかな。…来年、考えよう。

[ぴーす!]
おしまい


[↑]トップへ戻る

Oct. 16, 1998
Last Modified: Sep. 19, 2001

Copyright(c) Nekomatagi, 1998-2001